I think so.
「ん、まぁな、此処には特効服なんてねぇから、それがそんなもん」


それってやばくない?

それってあたしも暴走族って事?


「何でよ。何であたしが?」

「あ?着て欲しいからだよ。俺が拾ってきたんだから俺の勝手だろ」

やはりあたしの人権は何処へ飛んでいったんだ、と思いつつ、着て欲しいとストレートに言うその目の奥をじっと見つめてしまう。



「何だ?」

「・・・いや、何でもない」

「あっそ。先戻ってるぞ」



素っ気なく戻って行くその背中は、多分自分の魅力に気付いていない。
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