I think so.
「ねぇ、どこに連れて行く気?」

レオの服を握りながら、大きめの声で話しかける。

「どこだって良いだろ。つかお前、そんなんじゃ落っこちるぞ」

「はい?」

レオは表情一つ変えずにバイクのスピードを上げた。
うるさいエンジン。ものすごい走り。

ぐっと体を動かして、レオの顔を見ると、口が動いた。



しっかりつかまってろ。



そう言っていた気がする。あまり覚えていない。

・・・というのも、いきなりカーブしだしたから。

あたしは必死でレオの背中にしがみついて、目をつむった。
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