転生と赤い糸
図書室に近づくにつれ、自分じゃない感情があたしの感情を支配する・・・
《・・もうすぐ逢える・・孝太郎さん・・・》
・・孝太郎さん??夢の人・・・??
そして、図書室のドアの前に立つと身体の力が抜けていくような気がした。
ガラッッ・・・
ドアを開けた瞬間に、懐かしいような求めていたような香りに包まれた。
あたしはドアをそっと閉めて、図書室をぐるっと見渡した。
学園祭だから、人がいるわけもないのに・・・
何してるんだろう・・あたし。龍のクラスに向かおう・・そう思った時、
右手のアザがツキンツキンと痛み出した。
「・・・ッッゥ・・・」
左手で右手の甲を押さえると、右手がフツフツと熱を帯び始めた。
それと同時に背後に人の気配を感じた。