転生と赤い糸
「遅かったね・・・綾」
自分の名前を呼ばれて振り返ると、そこには見たことのない男の子が立っていた。
「だ・・・れ・・?」
見たことがないのに、なぜか物凄く懐かしく・・そして物凄く愛しさを感じる・・・
「綾・・俺を忘れたの?」
その男の子は髪の毛が茶色で今風のちょっとチャラそうな子だった。
「綾は・・・今も黒髪なんだね。」
そう言って、あたしの結われた髪をほどいた。
・・・・ドクン・・ドクン・・ドクン・・・・
あたしの視線は彼の瞳に固定される。
・・あ・・・あぁ・・・あぁぁぁぁぁ・・・・
頭の中で自分の歴史が巻き戻されていった。
・・この光景は・・・この声は・・・この姿は・・・
涙がどんどん溢れてくる。