転生と赤い糸
「・・孝太郎さん・・」
「やっと思い出してくれた??綾・・」
「はい・・やっと・・・やっと・・・逢えました。」
「俺は、ずっと綾を捜していたんだよ?当時の記憶を持ったまま転生したみたいだから・・」
・・あたしは、自分の意思とは違うところでの話を第三者のように自分の身体の中から聞くしか出来なかった。
孝太郎さんはそっとあたしの右手を取り、チュっとソコに口付けた。
「コレ・・痛かっただろう?ごめんな・・・」
あたしは横に首を振る。
「これくらい平気です。孝太郎さんと離れるくらいなら・・・」
「俺たちの想いは通じたんだね・・・生まれ変わっても捜し出してみせる・・見つけてみせるって。」
あたしはギュっと孝太郎さんに抱きしめられた。
・・なに・・この身体のそこから溢れるような愛しさは・・・
涙が止まらない・・・
「もう・・私を離さないでください・・・絶対に・・・離さないでください・・」
あたしの中の誰かがそう告げると、あたしの意識はパッと現実に戻っていった。