転生と赤い糸
現世の恋
「綾!!」
龍のクラスに着いた時、教室の前の龍があたしを見つけて微笑む。
・・龍・・やっぱりあたしは龍が好き・・・
クラスの子がいるのにも関わらず、あたしは龍に抱きついた。
「・・ちょ・・どした?なんかあった??」
「ううん、なんでもないよ?龍に会えて嬉しいだけ・・・」
龍はあたしの髪をそっと撫でてくれる。
前世がどうとか・・・今のあたしには関係ない。
《現世》のあたしには龍しかいないんだから・・・
「あれ?龍、その子彼女??」
あれ・・・この声は・・・。その声に振り返るとそこには木下君がいた。
「おぅ、孝太郎!そうそう、俺の彼女♪」
「ふぅ~~~ん・・・そうなんだ?さっきはどーーーも♪綾ちゃん♪」
「・・・・・・」
「何?お前ら知り合いなの??」
龍はあたしと木下君の顔を交互に見ながら言う。
「龍、あの・・知り合いっていうか、さっき初めて会ったばかりなの・・・」
「おい・・孝太郎・・俺の彼女に手出すなよ??」
「・・・さっきっていうか・・・出会ったのは200年くらい前なんだけどね・・・」
木下君がボソっと呟いた。
「あぁ!!!!龍!!早く色々案内してよ!!なんかお腹も空いてきちゃったし!!」
あたしは龍と木下君の間に入ってなんとか誤魔化そうとした。
「そうだな♪んじゃぁ、まずは俺のクラスから見てく??」
「うん♪そうする!!」
あたしは龍の腕に絡みつくようにして教室に入った。