転生と赤い糸
「あららら・・・龍ったら・・・」
木下君がボソッと言う。
あたしは龍をジッと見つめるしか出来なかった。
龍がその左にいる人に何かを言ったようで、その人がニッコリと笑ってあたしを見た。
・・・すごく綺麗な人・・・誰なんだろう・・・どう見ても龍と親しい関係・・・
さっき木下君が言っていた《年上の元カノ》??
あたしが言うのもなんだけど・・・龍とその人・・・二人の雰囲気があってる気がする・・。
二人がいることが自然で・・・なんか、嫌な気分になってきた・・・
「お?孝太郎も来てたのか??」
「うん、さっきね。綾ちゃんが一人で座ってたからさ。・・ってか、誰?その人。」
木下君はあたしが聞きたい事をサラっと聞いてくれた。
「あ・・コイツは・・俺の幼馴染で上原サナ。俺らの2つ上でココの卒業生。今日の学祭に呼んだら来てくれてさ!」
「こんにちは。」
サナさんは嫌味のない優しい笑顔で挨拶する。
「こ、こんにちは・・・」
それに比べ、あたしは・・・目線も合わせないままボソっと挨拶・・・
「龍の彼女さんね??ごめんね・・・龍と歩いて来たからビックリしたでしょ??勘違いしないでね♪龍の事は何とも思ってないから♪」
「・・え・・?」
「《心配してます》って顔に書いてあるよ?」
あたしは両手で顔を覆った。
「ねぇ、龍。あたしたちただの幼馴染なだけよね。あたしはもういいから彼女と一緒に回ってあげてね♪」
「え・・サナ一人で学祭回るのか?」
「先生に会ってくるから♪」サナさんはそう言って、校舎に入って行った。