転生と赤い糸
いつまでもココで泣いているわけにもいかない・・・けど。
今立ち上がる勇気もない・・・
今立ち上がってしまえば、もしかしたら二人に気付かれてしまうかもしれないから。
あたし、弱いなぁ・・・。普通なら、「今のどういうこと?!?!」って二人の前に出て行くんだろうけど・・・
龍の言葉を聞くのが怖い。
ずっと片想いしてて、ソレが実って・・・幸せだったのに、今すぐにソレを壊すのが怖い。
「・・何やってんだよ。」
急に聞こえる低い声。
見上げると、木下君がいた。
「・・あ・・あの・・」
「・・アレだろ?何で黙ってんだよ?キレルところだろ??」
「でも・・・」と言いかけた時、木下君が信じられない行動を起こした。
「おい!!コラァ!龍!!お前何してんだよ?!綾いるのにも気付かねぇでさぁ!!」
「ちょっと!!木下君!!」
龍とサナさんは驚いた顔をしてコッチを見る。
龍とサナさんがあたしの存在に気付くと、二人はベンチから立ち上がりあたしの方に足を向けた。
「綾!!ごめん!!違うんだ・・・コレは・・・」
「綾ちゃん!!違うの!!私が悪いの!!」
二人して言い訳染みた事を言い出す。
二人して・・・そういうのが余計あたしを傷つけるんだ・・・
「・・何が違うの?」
もう涙で前が見えない。
「何が違うの?!違ってたら、なんでキスする必要あるの?!幼馴染なんでしょ?!変な心配しないでって二人ともあたしに言ってたじゃない?!汚いやり方しないでよ!!」
あたしは公園で遊ぶ子供たちの視線も気にしないで叫んだ。