転生と赤い糸
龍があたしに駆け寄ってくる。
「聞いて、綾!キスしたことは謝る!!でも、違うんだ!!」
龍はそう言ってあたしの腕をガシっと掴んだ。
「やめてっっ!!触らないで!!」
あたしは力一杯、龍の手を振り払おうとする。
「聞けって!!」
龍の声も段々と大きくなって、あたしを掴む手の力も強くなっていった。
「痛い!!やめ・・・「おい、龍。離せって・・・」
木下君が龍の腕をひねり上げる。
「いってぇなぁ!孝太郎には関係ないだろ?!」
「関係あるんだって。ってか、お前、あの人にキスしたんだろ?ソレが綾を裏切ってるってわかってんだろ??この間は黙ってたけどさ・・・もう我慢しないから。」
「は?だから、孝太郎には関係ないだろって。さっきのキスも、訳があって・・・」
訳・・・?訳があってキスしてたってこと??どういうこと??
「私がいけないの・・・ゴメンネ綾ちゃん・・・私が・・」
サナさんもあたしの前に来て、一生懸命弁解をしようとする。
でも、それを遮ったのは木下君だった。
「どんな訳があるか知らないけど、していいこと悪い事くらいあるだろ?」
龍とサナさんは黙って俯いた。
「なぁ、龍。俺さ、昔から綾ちゃんが好きなんだわ。悪いんだけど・・・龍から奪うから。」