転生と赤い糸
前世、現世の恋の変化
振り返らなくてもわかる・・・
「どうしたの木下君。こんなところで・・・」
「・・今日龍が休みだったから、綾大丈夫かなぁとおもってさ。」
「・・・龍は今頃サナさんと話してると思うよ。」
「・・・いいのか?」
「私の為みたいだし・・・仕方ないよ。」
「・・・よくわかんねぇけど。なぁ、今から暇?」
「暇じゃない・・・ってか、出かける気分じゃないの。」
「こういう時だからこそ、パァーーっといかなくちゃ!っな?行こうぜ!!」
「ちょ・・ちょっと!!」
木下君は、強引にあたしの腕を掴み、連れて行った。
あたしの腕を掴む手が滑っていって、あたしの右手にいく。
あたしの右手の指に木下君の左手の指が絡む。
「え?!ちょっと・・・これ・・・」
「俺行ったでしょ?絶対離さないからって・・・覚えてないの?」
あまりにも真剣な木下君の顔にあたしは目を奪われた。
胸の奥から湧き出るくすぐったい、何とも言えないような感情があたしの身体中を熱くさせた。
・・・この懐かしい気持ち・・・
・・・この安心する気持ち・・・
・・・この愛おしい気持ち・・・
あたしは龍の代わりを木下君にさせている・・?
でも、龍に対しての後ろめたさがない。
前世のあたしが、木下君を受け入れてるからだろうか・・・