転生と赤い糸
久しぶりに来る龍の部屋。
龍は、部屋に入り突っ立ったままのあたしに座るように促した。
ローテーブル携帯を置いて、ラグの上にちょこんと座る。
龍はローテーブルを挟んで反対側に座った。
お互いに探りあいのような沈黙・・・
全てを知りたい・・・でも・・・それはきっとあたしにとって良い話ではない。
聞くのが怖いけど、知らないのも嫌だ。
「・・今日・・・サナさんと一緒にいたの?」
最初に口を開いたのはあたしだ。
「・・あぁ。話しに行ってた。」
「どんな?」
「俺には綾しかいないから・・って」
「・・・そっか。その前に・・だけど・・・なんでそういう話をサナさんにしなくちゃいけないのか教えて?この間、学園祭の時、二人して《ただの幼馴染だ》って強調してたじゃない?」
龍の顔が一気に曇っていく。
「・・綾・・・今から話す話・・最後まで聞いてくれるか?」
龍は、途中であたしが怒って帰るのを想定してか、そんなことを言って来た。
「・・わかんないけど・・・聞く努力はする・・・」