転生と赤い糸
「・・俺、中学の頃からサナと付き合ってたんだ。でも、高校入って駅で綾に一目惚れして・・・」
「知ってる・・・」
「綾に気持ちがいってからも、暫くはサナと付き合っててさ。サナとは付き合いが長かったから、情がわいてしまってて、なかなか別れ話を出来ずにいて。
でもコレじゃいけないと思って、サナに別れ話をした。好きな人が出来たから別れてくれって・・・」
「・・サナさんは?」
「サナは、嫌だ、別れないの一点張りで。俺の勝手な感情で別れ話した訳だし、別れ話を拒否られるのもわかってたんだけど・・・俺はそれからサナと距離を置くようにしてた。サナを嫌いになって別れるわけじゃないし、幼馴染だから簡単に突き放すことも出来なくて・・・」
「・・・・・・」
「・・で。それからサナは適当な男と付き合ってみたり、セフレを作ってみたり・・って感じに俺への当てつけのように男にだらしなくなってさ。俺の気持ちは完全に綾に向いてたんだけど、サナに対して責任を感じたって言うか・・・」
龍は、そう言いながら髪をクシャっとさせた。
あたしは複雑な気持ちだった。
龍がサナさんよりもあたしを好きになってくれていたことはとても嬉しい・・・
でも・・・龍の中には恋愛感情がないにしろ、サナさんがいる。
そのサナさんの龍を縛り付けるやり方が気に入らなかった。