転生と赤い糸
「・・・サナがそんな状態の時に一度サナに話をしに行ったんだ。俺の身勝手さはわかってるけど、これからは自分を大事にしてくれって・・・。
そしたら、サナが、《龍の事を忘れるから、最後に一度だけ抱いて欲しい》って言ってきて。」
「・・抱いたの?」
「・・あぁ。一度抱いてサナの気が済むなら・・・これで駅で見てるだけだった綾にも告白できる・・って思ってさ。でも・・・」
「・・でも?」
龍はあたしの顔を一度見てから、視線を下げてポツリと言った。
「・・サナが妊娠したんだ・・」
龍の口からその言葉を聞くととても不安になる。・・・でも。それって、拓也君は《相手はわけのわからない男》って言ってたし・・
「・・相手はサナさんが適当に付き合ってた、わけのわからない男なんでしょ?」
あたしは、そのことは知ってるよ・・って感じに軽く聞いた。
「・・違うんだ・・・相手は俺なんだ・・・」