転生と赤い糸



駅前のファストフード店に入る。





大事な話をするっていうのにこんな所?とか思ったけど、逆にこういう所の方がいいのかもしれない。





お互いにカフェオレだけを注文して一番奥の席に向かい合って座る。






あたしはサナさんが一体何から話し出すのかを考えていた。





その言葉にどう返事をしようかとも・・・






「・・綾ちゃん・・・あの・・・」





サナさんはオドオドしながらあたしに話し出す。
そして、





「ごめんなさい!!」





テーブルに頭をつける様に頭を下げて謝ってきた。






「私、ずっと龍が諦められなくて・・・でも龍は綾ちゃんしか見てなくて・・・それで・・・」





「・・それでなんですか?」





「・・龍に我が儘言って・・・その・・・」





肝心なところはさすがにこんな所じゃ話せないみたい・・・






「・・抱いてもらって、妊娠したんですよね?」





サナさんはあまりにもはっきり言ったあたしを驚くように見た。





「・・ごめんなさい・・・でも、もう私は龍のことキッパリ諦めるから・・・」





「・・・妊娠して・・・残念な結果になってしまったことは女としてとても辛い事だってわかります。でも・・・それを理由に龍を離さないつもりだったんですか?」





「・・・そう・・かもしれないわね。妊娠して・・・ダメになってしまって・・・そしたら龍は責任とってくれるんじゃないかって・・・正直思った・・・」





「・・・・・・」





「でも・・・やっぱり龍は私の元には戻ってくれなかった・・・だから・・・私がこんなことを言うのはおかしいんだけど・・・龍は綾ちゃんしか見てないから・・・許してあげて・・・」





「・・え?」





サナさんのその言葉が思いがけない言葉だった。






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