転生と赤い糸
忘れることのない想い
唇が離れると同時に胸の奥からドッと温かい感情がこみ上げてきた。
初めて図書室で木下君に出会った時に感じた感情と同じ・・・
離れた唇がもう木下君の温もりを欲している・・・
たまらずギュッと木下君の胸に顔を寄せて抱きしめた。
「・・綾。」
「・・・ごめん。もう少しだけ・・・」
人が多い駅前でこんな事してるなんて、きっと行き交う人たちは呆れてるだろう・・・
今時の若い奴は・・・なんて思われてるだろう・・・
それでもいい。木下君の温もりを感じていたい。
気がつけば、さっきまで溢れていた涙はもう止まっていた。