転生と赤い糸
「俺的にはこういうの嬉しいんだけど・・・さすがに人の視線感じまくりだから・・・そろそろ行こうか・・送ってくから。」
木下くんはそう言ってあたしの手を引いた。
繋がれた手をジッと見つめる。
あたし・・・木下君を利用した??
龍とサナさんとの事でむしゃくしゃして、都合よく木下君に甘えて・・・
キスしたことを公開してるわけじゃないけど、好きって気持ちだけのキスじゃなかったよね。
・・・淋しさを紛らわすだけのキス・・・だったよね?
「木下君・・・あの・・・さっきの・・・」
「・・ん?」
「・・さっきの・・ごめんね。なんか、あたし・・・」
木下君は、あぁ・・といった感じであたしの手を強く握った。
「大丈夫。そういうのわかるから。龍と色々あってその淋しさの隙間に漬け込んだのは俺だから。気にすんな・・」
「・・・木下君・・・」
「でも。俺は綾が好きだから。だから、綾が龍を忘れた頃に絶対迎えに行くから。前世で約束しただろ?絶対捜しだして、今度こそ二人で幸せになろうって・・・」
あたしは、龍が・・・
好き??
あたしの家の前に着き、あたしは木下君を見つめた。
木下君も・・・あたしの目から視線をはずさない・・・
お互い、何かを言いたいんだろうけど・・・