転生と赤い糸
・・・ブブブッ・・・ブブブッ・・・
あたしの携帯がバイブした。
・・・龍から電話だ。
木下君は電話の相手が誰かに気付いたんだろう。
何も言わずにあたしの髪をサッと撫でてそのまま帰って行った。
あたしは、木下君の後ろ姿を見つめながら、携帯の通話ボタンを押した。
「・・もしもし・・龍・・・」
「・・綾・・・今日はごめん。電話で話す事じゃないんだけど・・・俺は綾が本当に好きだから・・・それだけはわかってほしいんだ・・・」
「・・・うん。ねぇ、龍・・・明日・・・」
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その電話を切って、あたしは自分の部屋に入った。
龍・・・
木下君・・・
サナさん・・・
三人の顔が頭に浮かぶ。
好きとか、愛してるとかの気持ちだけで動いちゃいけない事もあるよね。
身体の関係とか・・・妊娠とか・・・今のあたしには話が大きすぎる・・・
サナさんに対してのヤキモチなんかじゃないんだけど。
龍に対しての怒りでもないんだけど。
なんだか納得がいかない・・・
明日、きちんと話そう。
龍にも、サナさんにも・・・木下君にも・・・