転生と赤い糸
その日の帰り。
あたしは自転車置き場で自分の自転車を引っ張り出すのに苦労していた。
・・信じらんないっ!!なにこのマナーの悪さ・・・
ハンドルが別の自転車のハンドルに絡んでなかなか離れない。
おまけにサイドスタンドまで隣の自転車のタイヤの中に入っていたりする・・
悪戦苦闘していると、スッと右側から腕が伸びてきて自転車を持ち上げてくれた。
「あ・・ありがとうございます・・」
その腕の主を見て、心臓が一気に跳ね上がった。
・・・神崎君?!?!?!
「ココの自転車置き場はマナー悪いから・・・」
そう言うとあたしにニッコリ笑ってくれた。
「・・・えっと・・・あの・・・」
「俺、神崎龍。新海綾ちゃん・・・」
「ど、どうしてあたしの名前を?!」
「ココに書いてあるよ?」
神崎君はそう言ってあたしの自転車に書いてある名前を指さした。
「あ・・あぁ・・・なるほど・・」
「・・なんてね。実は前から知ってたんだ。」