転生と赤い糸


次の日の夕方、あたしはいつもの自転車置き場で龍を待っていた。






昨日一日ゆっくじっくり考えた事を龍に話すため・・・






龍の名前が書かれた自転車を見つめながら、初めて龍を見たときの事を思い出す。






一目惚れなんてしたことなかったのに、龍を見た瞬間心臓があぶるような感覚になって・・・





その瞬間にあたしは龍にオチタ・・・






付き合うようになって、龍の中身を知るようになって・・・






どんどん龍が好きになった。






・・・龍・・・





龍を想うと胸がキュっとする・・・






でも・・--・・でも・・・







「綾!!」






あたしの大好きな声が聞こえた。






「・・・龍・・・」






龍はあたしが何を話したいかわかってるんだろう・・・






切ない顔で、困ったような顔で、でも優しいいつもの顔であたしを見つめる。





「・・・話って・・・ここでする?」





「ううん・・・場所うつそうか」






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