転生と赤い糸
「・・そろそろ帰ろうか」
龍のその言葉に正直ホッとした。
「うん、そうだね・・」
あたしはベンチから立ち上がり、自転車に手をかけようとした瞬間、後ろからギュっと強く抱きしめられた。
「・・りゅ・・う?」
「・・わりぃ・・・少しだけ・・・こうさせて」
背中に龍の鼓動が響く・・・
「龍・・・大好きだったよ・・・」
「知ってる・・・俺も綾が好きだ・・・」
龍はそう言うとあたしから腕を離した。
「じゃぁ、俺行くから・・・別れたからって、俺のこと無視したりするなよ?そういうのかなり凹むから・・・」
「・・わかってるよ、そんなの・・・」
「ーーあ・・あと、すぐに男作るのもやめろよ?もっと凹むから・・・」
龍は苦笑いして言った。
「わかってる!!」
「なら、いいけど?・・じゃぁ、帰るわ・・」
龍はそう言って公園を出て行った。