転生と赤い糸
龍と付き合いだしてから半年。
あたしたちはまわりが羨むようなラブラブカップルだった。
初めての彼氏・・・
初めてのキスの相手・・・
初めての・・・人・・・
こんな日がいつまでも続けばどんなに幸せだろう・・・
--------------------
「龍!!おはよう!!」
あたしたちは毎朝自転車置き場で待ち合わせをしていた。
「おはよ♪綾。」
「龍のところってもうすぐ学園祭だよね??あたし、行ってもいい??」
「当たり前じゃん?ツレたちにも綾の事紹介したいし。」
「うん。ちゃんと紹介してね?彼女ですって♪」
「《かわいい彼女です》ってね?」
そう言いながら、龍があたしの右手をとって歩き出す。
「前から聞きたかったんだけど、綾のコレ・・ってアザ?」
「うん。そうなの。変な形でしょ??」
「・・サクラ・・みたいだね」
「そう。サクラみたいで結構気にいってるんだよ♪」
龍があたしの手のアザをスーーッと指で触れた時、心の奥・・・というか頭の奥が一瞬グラっと揺れて暗闇に包まれた気がした。
なに・・・今の感じは・・・。
まるで、あたしの身体が拒否反応起こしているみたいな・・・
あたしは不思議な感覚に戸惑いながらも、龍の手を握り締めた。