月の下でキスと罰を。

「まぁ……人間て死んじゃうからね」

「だろ? ずっと離れないで居てくれるって、約束しても、それって絶対じゃないだろ?」

「けっこうキツイ事言うのね、瀬良くん」

 カヨは少し、悲しそうな顔をした。

「ああ、ごめん。でも、僕にとって、絶対って人間じゃないから」

 カヨに言葉をかけ、また作業を始めようとする瀬良。

「キミも、居なくなっちゃうかもしれない」

「……なんか、メンヘルな発言ね」

「うん、そうだと思うよ」

 何か楽しい話でもしているみたいに、瀬良は笑顔だった。

 カヨは頬杖のままで、作業をする瀬良の背中を悲しそうに見ている。じっと。


「僕が動けなくなって、ていうかここでひとりぼっちで死んでも、この子達はどこにも行かないし」

 口元に笑み。


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