月の下でキスと罰を。
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 *


 また陽が昇って、そして瀬良は出掛けて行った。するとしばらくして、前日に出ていったカヨが姿を現した。

 またいつものように、掃除をしたり食器をカチャカチャやったり。花瓶の水を取り替えたりしていた。いつもと同じだった。

 瀬良は、まだ帰ってこない。いつも帰宅の時間は色々で、あたしはその間の過ごし方を考える。でも瀬良は、一日作業する日もあれば一日居ない日もある。

 テーブルでまた頬杖をつくカヨ。そのまま過ごしているのかと思ったら、すっと立ち工房へ入ってきた。そしてあたしの前に、ペタンと座った。


「……」

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