月の下でキスと罰を。
 しばらくそうしていたかと思うと、カヨはゆっくり立ち上がり、またテーブルの方へ行った。あたしの所から、テーブルと流し台、玄関が半分、いくつかの窓が見える。まだ外は明るい。


 瀬良は帰ってこない。

 この工房は、テーブルや流し台がある部屋の隣だけど、入り口が少し狭い。ここに入る時、屈んで入る人が殆どだ。


 カヨは、椅子の上に上がって何かをしている。

 工房は、入り口が少し狭い。そのせいで、カヨの全身が見えない。

 もうすぐ瀬良は帰ってくると思うけど。貰ってきたワインとかいうのを、一緒に飲んだら良いんじゃないかしら。


 ほんとに、お互いに一方通行の会話ってダメねぇ、などと思っていると、ガタンと音がした。


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