memories
* パシリ *
高校になって
やっぱり
龍二君はモテた。
まだ入学して
日は浅いのに
龍二君はクラスの
女の子達から
いつも囲まれていて
クラスの中心である。
...私はと言うと。
どちらかと言うと
真面目だ。
クラスの中にいても
目立たないし
と言うか
目立たちたくないし...。
「ブスっ!!ジュース買ってこい」
龍二君の声が
教室に響く。
もう入学してから
ずっとだから
皆、ブス=私に
命令してると
気付いてる。
「龍二く〜んっ!!ブスってひどぉっ」
龍二君を取り巻く女の子の一人が面白そうに言う。
私はそれを
耳にしながらも
椅子から立ち上がり
財布を持って
教室を出た。
いいな。
あのコ達は
パシリなんか
されなくて
暴言吐かれなくて
龍二君の
側に居れるんだ。
私は急いで
自販機に向かった。