キミがいた夏
第1章-キミはあの日突然に-
「うわぁぁぁ!!」

俺の叫び声が家中に響き渡った。

階段を一気にかけ下りて、

靴のかかとを踏みつけたまま、

急いで玄関から飛び出して、

ゆっくり閉じるドアを思いきり閉めて...

そしてそのままへたりこむ。

空気がうまく吸い込めない。

やっと吸えたと思ったら今度は吸い込みすぎて吐き出せなくなった。

完璧に動揺している。

...いや、正直に言うと怖かった。

大声を出して外に飛び出すなんてかっこ悪いのかも知れないけれど。

今はそれどころじゃない。

だって、俺の部屋に...

俺の部屋にいたんだから。

...女の子が。

知らない女の子がいたんだから。
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