ココロごと

気持ち

「好き」という言葉は簡単に字で書くことができる。メールや落書きなら、なおさらだ。



でも、実際に伝えることは簡単なことじゃない。


答えが怖いというのもひとつの理由だけど、何より勇気が足りないんだと思う。




ベットに横になりながらそんなことを考えていた。無駄に伸ばしていた手がゆっくりと枕に沈んだ。



別れ際に咲と交わした言葉すら覚えていない。情けねぇ、いつからこんなになったんだろう?



ずっと前から好きだったのかもしれないな。






ふと携帯が光りだす。点滅する“大貴”の文字。

「もしもし?“あの子”こと教えろよ」



ほとんど命令じゃん。その時俺に名案が浮かび出た。




夏樹ちゃんのことを教えないより、電話代をかけさせてやろう。心の黒い部分を全開にして、ゆっくりと話し始める。
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