ココロごと
「じゃ、日曜日に」

早々と電話を切ろうとする大貴に、おう。とだけ答え、電話を切る。





一方、咲も電話で誰かと喋っていた。



「じゃあ日曜日に。よろしくね」


「うん、じゃあね」
話が一段落つき、ベットにもたれながら背伸びをする。



「大きくなったら、ねぇ...」

咲は数年前の日々を思い返していた。右手をなぜかほんの少しの力で握っていた。




その頃俺は、たまったDVDを観ながら笑っていた。
咲を意識すると眠れないような気がしたからだ。





夏と冬の間の季節は、自分の中で眠りやすい一番の季節であったはずなのに、今はこうでもしなきゃ駄目になってしまっていた。

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