ココロごと
暗闇から公園の景色に変わる。

また同じ夢だ。


砂場に作った山を挟んで座っている二人。


ボサボサ頭がおそらく俺。もう一人は前髪が顔まであって誰だかわからない。



そういえば、子供の頃夏樹ちゃんと遊んだことあるんだよな?
普段なら絶対に動かない自分を、相手の顔に近づけた。





見えたのは下唇だけ。しかし十分だった。

見覚えのある癖がはっきりとわかったからだ。




そこで目が覚めた俺は、つけっぱなしのDVDの画面が目に入った。

あのまま寝てしまったのだろう、頭を掻きながらおぼつかない手でテレビを切った。


そして、夢の内容をゆっくりと思い返す。



「夏樹ちゃん...だったよな?」


だが所詮夢なのだと我に返り、顔を洗いに洗面所まで歩き出した。
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