ココロごと

戸惑い

『おおきくなったらけっこんしようね』

『いやだ』
そんな冷たく言い放った子供。

『どおして?』
『それはね...』


いつもこの先を見る前に夢が終わる。
実際にあったかどうかもわからない。俺はなんて言ったんだろう。


こんなバカげた話はきっと俺の夢でしかないんだろうな。


これは俺、青木 和人と咲の話...なんだろうか?いや、夢だからあるもないも関係ないか。


咲と知り合ったのは、本当に覚えてないくらい前で、物心ついたころには咲がとなりにいた。


親が同級生だったというほぼ奇跡の巡り合いを通して俺と咲は出会った。



よく遊んでいたとはいえ、家が近いというわけではなかった。かといって遠いわけでもない。




保育園と幼稚園は一緒に過ごしていない。だから、“幼なじみ”と言うには少し遠い存在なのかもしれない。



小学校で一緒にいる時間はあまりなかったと思う。でも、帰り道が同じなため、お互いランドセルを揺らしながらその日の出来事を話していたのを覚えている。




そんな日々を過ごしてきた俺たちは、ずっと“友達”のままでいた。






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