ココロごと
待ち時間と反比例してその時間はすぐに過ぎた。


安全レバーが上がる。立とうとした時、引っ張られるのを感じた。


笑顔でこっちを向いた夏樹ちゃんに少しドキッとした。


改めて掴んだその手は俺の思ってたより軽くて、安心するような暖かさだった。




俺は笑顔で返して手をこっちに引いた。


「なんかお二人さんうまくいってるねー」


その発言をきいておもわず手を離した。


「そんなんじゃないよ」


俺が口を開こうとしたら、もう夏樹ちゃんが言っていた。



軽はずみに言葉を発した大貴はちょっとひるんでいた。


咲は隣で笑っている。丁度咲の後ろにあった時計の短針がニを指した。
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