ココロごと

告白

「どうだった?夏樹の話」


帰り道の途中、観覧車まで会話が辿り着く。咲はそれだけが聞きたかったという表情をしていた。




「断っ...たよ」


「えー!?なんでよ?」


「それは...」


ふと夏樹ちゃんを思い出す。告白すること、改めてそのすごさに気付いた。


頭が真っ白になりそうな中に見つけた言葉は、



「咲はどうなんだよ?大貴となんかあった?」



逃げてしまった。耐えることのできない緊張に。




「や...別になんも..ないよ」




口篭もる彼女をみて、「人のこと言えないじゃん」と言ってしまった。


自分を棚に上げて、最低だな、俺。



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