初恋は桜と共に舞降ちる
抑えられない
「この先どっちー?」
先輩と2人。
こんな嬉しい時間はない。
…………けど。
運命の分かれ道。私の家と先輩の家への分かれ道…。
私の選択によって、一緒にいられる時間が変わるから。
「えっと、こっちです……」
とりあえず、私は正直に答えた。
すると、先輩は考えこんで「よし!」と言った。
「え?あの………」
「送ってく!」
……えっ!?
「だだだ、大丈夫です。私なら一人で帰れますから…」
送ってもらいたい本心を押さえ、先輩を断った。
「…迷惑?」
「いえいえそんなっ!私は嬉しいですけど先輩が……」
「なんだ、よかった!じゃあ問題ないね」
私の手をさりげなく掴むと、私が指した道に歩きだした。