初恋は桜と共に舞降ちる
「あ………」
今、私…先輩と目、あっちゃった?
嘘っ……。
ヤバい。嬉しい……。
先輩と一瞬目が合っただけなのに、すごく嬉しいよ…っ。
「………て。…から」
遠くから聞こえる先輩の低くてよく通る声。
その全てが聞こえる訳じゃないけど、なんか幸せ。先輩って、私に幸せをくれる人なんだ……。
あれ…?
先輩、女の人と別れてこっちに向かって来るような…。
忘れ物した、とかかな?
先輩、私の前で止まってくれないかな…。
はっ!
う、うぬぼれんなっ
そう思ったらダメっ!
下を向いて歩き出す。
だって「私の前で止まってくれる」って思ってて、忘れ物だったらショックだもん…。
「……さーくらっ!」
今、奇跡が起こりました。