さよなら、片思い【完】
次の日の放課後、わたしはお兄と未だ見ぬ彼女をどうやって別れさせようかと、親友のメグを誰もいない理科準備室に呼び出して作戦会議をしていた。


ところが、


「くっだらない」


という一言でバッサリ切られてしまった。


「ひっど!親友の一大事だよ!?お兄に彼女だなんて…きっと優しいお兄を騙してる派手なバカ女なんだよ!あぁ怖い!」


「妄想でそこまで怒れるアンタの方が怖いわ。それに哲さん、今まで彼女いたことがあったんでしょう?今回なんでそんな別れさせようって躍起になってるのさ」


「…お兄、今まで彼女ができてもわたしやママたちに彼女の話なんかしてこなかった。だからきっと…きっと…」


本気なんだ、その彼女のこと……。


「うわぁぁああん!!!お兄が取られちゃうよぉぉおおお!!!」


「ちょっ!泣くな、ヒナ。落ち着け。しょうがないな…まったく、世話がやけるんだから」


「メグ、協力してくれるの?」


メグは面倒くさそうにため息をついてわたしの頭を撫でてくれた。


「まずは相手を知らなきゃね。彼女ってどんな人なの?」


そっか!さすがメグ。一人で考えてたらそんなこと思いつかなかったよ。


「えっと、確か同じ大学で付き合って一年経ったって言ってた」


「女子大生かぁ〜それだけじゃわからないな。あっ、よし!じゃあ今から聞き込みにいこう!」


聞き込み?なんかますます面白くなってきたかも!
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