さよなら、片思い【完】
「……ごめんなさい」


由香里は深々と頭を下げて謝ってきた。


自惚れてたかもしれないけど、俺は断られるなんて思ってもみなかった。


「由香里、俺のこと嫌いなのか!?」


「そんなことない!充のことは好きだよ!」


「じゃあどうして!?」


「だって…、充、中学のときに女の子とたくさん遊んでたって聞いたことあったの。わたし、充のこと好きだから遊びならわたし立ち直れないよ…」


そう言う由香里をギュと抱きしめた。


可愛い可愛いその存在、愛しい体温を確かめるように力強く抱きしめた。


「初めて本気で好きになったのは由香里だ。もう由香里以外見えねぇよ、俺」


由香里はゆっくりと細い腕で俺を抱き返してきた。


「浮気したら叩いて蹴飛ばしてやる」


「いいよ。浮気なんてしないから」


「泣き叫んで怒鳴り散らしてやる」


「アハハ、うん。そんなことさせないから」


見つめあうとお互いの唇が近づき、キスをした。


由香里とキスをしながら、彼女を大切にしようと心から思った。





ーーーはずだったんだけどな。
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