さよなら、片思い【完】
途中途中で出会った友達に由香里の居場所を聞き回るが、タイミングが合わず行く場所行く場所に由香里の姿はない。


こうなったら意地でも見つけてやる!!!


本日何回目かの階段を駆け上りハァハァと息を切らせていると奥の教室かは話し声が聞こえてきた。


「なに、急にこんなとこ呼び出して」


「一條さん、杉田と別れたんだって?いいじゃん、俺と付き合ってよ」


それは誰かが由香里に告白してる声で、


「はぁ?なにいきなり「悪いな。俺以上に由香里を愛せる男はいないから他を探してくれ!」


由香里の返事を遮るように由香里を後ろから抱きしめた。


「杉田!?なんでここに!?」


「みつ、る…?」


俺の登場に驚いてる男と由香里。


「なんだよ!別れたってデマかよ!」


男はそう声を荒げると教室をドカドカ歩きながら出て行った。


そして、ふたりっきりになった俺と由香里。


「なに、いきなり来て勝手なこと言ってるのよ…」


「ごめん、由香里…」


「わたしがどんな想いをしたかわかってるの!?」


声は怒ってるが抱きしめている肩は震えていて、由香里は静かに涙を流していた。


「本当にごめん。俺、由香里と別れてからさ、付き合ってたとき以上に由香里のことが恋しくなって。由香里は大切な女なのに、傷付けてごめん」


「今更そんなこと言っても…」


「今更だよな。でもこれだけは伝えたくて。由香里とこの先付き合わなくても、俺はもう由香里以外のヤツと付き合わない。由香里以上に愛せる女なんていねぇよ…」


由香里からそっと離れて俺も教室を出る。


気持ちは全部伝えた。後悔はない。


幸せになってほしいんだ。誰よりも笑顔が似合うキミだから。
< 156 / 257 >

この作品をシェア

pagetop