さよなら、片思い【完】
でも、今夜この部屋に泊まったらまたいつものように嫉妬心を剥き出しのまま唯を抱いてしまうだろう。


今夜はおとなしく帰ろう。


「悪い、ちょっと用事思い出したから今夜は帰るよ」


「えっ、うん。わかった」


唯の頭をポンと撫でて唯の部屋をあとにした。


駅前通りを歩いてると俺と同い年くらいのヤツらが飲み会帰りなのかワイワイ騒いでいる。


道に広がって騒いでるものだから周りの人からも迷惑がられているしやっかいだ。


その集団を横切ろうとしたとき、その集団の中の人物が声をかけてきた。


「哲?哲だよね?」


綺麗に髪を巻いてつり目の女。どこかで会ったような…。


「やっぱり哲だ!久しぶり。明美だよ。久しぶりだね」


「…あぁ、久しぶり」


名前を聞いてもやっぱり思い出せない。
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