さよなら、片思い【完】
もう作るものは決めている。


カボチャのミニカップケーキに紫芋のクッキー、それからランタン型のチョコレート。


材料を揃えてなっちゃんと別れ、家路につこうとすると声をかけられた。


「唯お姉ちゃん?」


わたしのことをそんな風に呼ぶのはひとりしかいない。


「ヒナちゃん!?」


哲くんの妹のヒナちゃん。わたしの家にきて親子丼を作って以来、たまに会ってお茶をしたりヒナちゃんがわたしの家に来たりと仲良くさせてもらっている。


「唯お姉ちゃん、久しぶりだね。買い物?」


わたしの持っている手提げ袋を見ながら聞いてくるヒナちゃん。


「うん。あっ、そうだ!ヒナちゃんも一緒に作らない!?」


「何を作るの?」


「哲くんにね、ハロウィンのお菓子作ろうと思っていろいろ買い込んじゃったの。材料いっぱいあるし、ヒナちゃんもよかったら一緒に作ろう」


ヒナちゃんも作ったら哲くんもきっと喜んでくれるだろうし。


良い提案だと思ったんだけど、ヒナちゃんからの反応はわたしが期待してるものとは違って。
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