さよなら、片思い【完】
哲くんはかっこよくて、女のわたしですら羨ましくなってしまうほど綺麗で。


だけど、なんだかこういう顔を見せてくれると可愛いと思うし素直に嬉しい。


そう思って自然に笑ってしまうと哲くんがチラリとこちらを見た。


「こら、唯。笑うな」


「ふふっ、ごめんね。哲くん。哲くんが可愛くて」


「彼女から可愛いって言われるとなんか複雑。それで、充や大志から唯からのお菓子を見せびらかされてる俺にはないの?」


「哲くんにも作るつもりだったんだよ?本当だよ!」


昨日ヒナちゃんから哲くんのハロウィン嫌いの話を聞いたと説明すると哲くんは深くため息をついた。


「ハァ…。まぁ、ハロウィンのイベントに便乗してお菓子を渡してくるヤツらがいるから、ハロウィンって好きじゃないのは確かだけど」


やっぱり哲くんはハロウィンが嫌いなんだ…。ちょっと気持ちがシュンとしてしまって落ち込むと哲くんが突然頭に唇を落とした。
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