さよなら、片思い【完】
今度こそ本当にわたしの時間が止まったかと思った。


だって、上原くんがわたしの名前を呼んでいる。


「ん?どうした?」


「うっ、上原くん。あの…その、わたしの名前…知ってるんですか?」


「知ってるっていうか、中学の同級生の名前くらい覚えてるよ」


覚えていて、くれたんだ。


わたしとの接点なんて全くなくて、会話もあの一度きりなのに。


それなのに、上原くんがわたしを覚えていてくれたことがこんなにも嬉しい。


「それに、唯が小沢のこと言ってた」


「唯ちゃんが?」


「図書館でよく会う子がいて友達になりたいけど、どうすればいいの?って」


友達になりたい…?わたしと?
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