さよなら、片思い【完】
風呂から出ると寝ていると思った唯がベッドに腰をかけて座っていた。


「唯?寝てなかったの?」


「うん…なんだか寝れなくて」


「俺がついてるから大丈夫だって言っただろ?安心して寝ていいよ」


唯の頭をクシャっと撫でたあとソファにどかりと座る。


うん、このまま寝てしまおう。


こんな場所で唯と同じベッドに寝て何もしない自信は今の俺にはない。


「えっ…上原くん。そこで寝るの?」


「んー、唯はベッド使っていいから」


そう返事をすると唯は黙ったまま下を向いた。


「唯?どうした?」


心配になって声をかけるけれど唯はただ首を横に降るだけで何も答えてはくれない。


「ゆーい!言ってくれなきゃ、俺、わからないよ?」


ベッドに移動して唯の隣に腰をかけた。


「……上原くん、なんだか慣れてるし、こういうとこも平気みたいだし…わたしばっかり緊張してるし」


唯が小さな声でポツリポツリと話してくれたのは素直に嬉しかった。


唯は心のどこかで我慢する子だから、その内を見せてくれたことが嬉しかった。
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