さよなら、片思い【完】
新緑の木々に囲まれた大きな教会にはキラキラと輝くステンドグラスに大きなパイプオルガン。


純白のウエディングドレス、上品なレースのベール、


バージンロードを歩く由香里さんはやっぱり綺麗で。


たくさんの人から祝福されて杉田くんの隣で微笑んでいる由香里さんは間違いなくこの場にいる誰よりも一番輝いていた。


その姿を見つめる哲くんをそっと横目で見る。


哲くんはなんで由香里さんよりもわたしを選んでくれたんだろう。


杉田くんが由香里さんを選ばなかったら今由香里さんの隣にいたのは哲くんだったのかな。


哲くん、今何を思っているんだろう、なんてネガティブなことばかり考えてしまう。


今日は暗いことは考えちゃダメだってさっき決めたはずなのに。


心がすぐに折れてしまいそうになる。
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