さよなら、片思い【完】
席に戻ると案の定、女の子ふたりに話しかけられている上原くんの姿があった。
「そうなんですかぁ〜?あたしたちも昨日軽井沢に着いたばっかりでぇ〜」
「よかったら一緒に廻りませんかぁ!?」
さきほどわたしがお手洗いで聞いた声よりも甘ったるい喋り方をする彼女たち。
「ごめんね、彼女と来てるから。…あっ、唯!」
上原くんがわたしを見つけて軽く手を挙げると、ようやく諦めたのか女の子たちは上原くんから離れていく。
「ブス」
彼女たちがわたしの横を通るときボソっと小さな声でそう聞こえた。
可愛くないなんて自分が一番よく理解してる。
由香里さんにはなれない、彼が一番欲しがってる人にはなれないって、
イヤになるほど理解してる。
「唯、どうした?具合悪くなった?」
「ううん、大丈夫だよ」
上原くんに心配かけさせまいと明るく言いながらわたしは食べかけのパンケーキを口にした。
あんなに甘くて美味しかったパンケーキなのに、
最後はなんだか切ない味がした。
ーーーーーーー
ーーーーーー
お店を出てふたりでのんびり軽井沢の街を歩いていると木々に囲まれた小さな白い教会を見つけた。
ちょうど結婚式の最中らしく、純白のドレスに身を包み新郎の隣で幸せな顔をしている新婦がいた。
「綺麗ー…」
「唯もあぁいうドレス似合うんだろうな」
「そうかな?」
上原くんはわたしにそう言ってくれるけど、わたしがいつかあの純白のドレスを着るとき、
隣に立っているのは上原くんじゃない別の誰かなんだ。
上原くんの隣で着てみたいな、
そんな叶わない夢を抱いてわたしは上原くんの手をギュッと握った。
「そうなんですかぁ〜?あたしたちも昨日軽井沢に着いたばっかりでぇ〜」
「よかったら一緒に廻りませんかぁ!?」
さきほどわたしがお手洗いで聞いた声よりも甘ったるい喋り方をする彼女たち。
「ごめんね、彼女と来てるから。…あっ、唯!」
上原くんがわたしを見つけて軽く手を挙げると、ようやく諦めたのか女の子たちは上原くんから離れていく。
「ブス」
彼女たちがわたしの横を通るときボソっと小さな声でそう聞こえた。
可愛くないなんて自分が一番よく理解してる。
由香里さんにはなれない、彼が一番欲しがってる人にはなれないって、
イヤになるほど理解してる。
「唯、どうした?具合悪くなった?」
「ううん、大丈夫だよ」
上原くんに心配かけさせまいと明るく言いながらわたしは食べかけのパンケーキを口にした。
あんなに甘くて美味しかったパンケーキなのに、
最後はなんだか切ない味がした。
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お店を出てふたりでのんびり軽井沢の街を歩いていると木々に囲まれた小さな白い教会を見つけた。
ちょうど結婚式の最中らしく、純白のドレスに身を包み新郎の隣で幸せな顔をしている新婦がいた。
「綺麗ー…」
「唯もあぁいうドレス似合うんだろうな」
「そうかな?」
上原くんはわたしにそう言ってくれるけど、わたしがいつかあの純白のドレスを着るとき、
隣に立っているのは上原くんじゃない別の誰かなんだ。
上原くんの隣で着てみたいな、
そんな叶わない夢を抱いてわたしは上原くんの手をギュッと握った。