さよなら、片思い【完】
ババーンと効果音が聞こえてきそうな、まるで紋どころを見せつけるかのようにわたしたちの前に差し出されたスマホ画面。
3人で囲むように画面を覗きこむと、その宛先は律さんの名前ではなく違う人の名前。
「バカ仁奈。このメール、大志に送ってる」
呆れたようにため息をつくとやれやれとした表情を見せる律さん。
「あっ、本当だ!大志に送ってた。あちゃ〜」
「まったく…。わたし荷物置いてくるから。悪いけど唯ちゃん、仁奈の相手してあげて。黙っててもこの子、勝手に喋るから」
「あっ、はい」
可愛く手を合わせながらお願いなんてされたら断れるはずもなく、金井さんは他のお客さまの接客中だからわたしが相手にするしかないのだ。
「そういえば、名前まだ聞いてなかったよね?」
「文学部の日下 唯です」
「唯ちゃん!よろしくね。あたし、商学部の赤松 仁奈」
えっ、商学部って…。
わたしはさっきからずっと思っていたことが判明した。
「あのっ!商学部って。上原くんの学部ですよね!?」
「あぁ、哲?うん、友達だよ」
そっか、仁奈さんを見たときどこかで見たことがある気がしたのは上原くんの友達で一緒にいるからだ。
「ナニナニ?唯ちゃん、哲のこと好きなの!?」
「いやっ!そういう訳じゃなくて…」
図星をつかれて恥ずかしくなって顔が真っ赤になる。
「何楽しそうな話してるの?」
エプロンを付けてホールに戻ってきた律さんが救世主のように見えた。
「唯ちゃん、哲のこと好きなんだって」
面白そうなおもちゃを見つけた子どものような顔をしてケラケラと笑う仁奈さん。
「えっ、唯ちゃん、哲のこと知ってるの?まぁあの容姿じゃ大学でも目立つだろうけど」
「律さんも上原くんのこと知ってるんですか!?」
「知ってるもなにも高校のときの友達だもの。わたしと仁奈、あとさっき話た大志ってやつと哲。あと知らない?モデルの一條 由香里とその彼氏の充。この6人でいつもツルんでたの」
大所帯だなぁって思ったけど、高校のときのこの人たちも相当目立ってたんだろうな。
3人で囲むように画面を覗きこむと、その宛先は律さんの名前ではなく違う人の名前。
「バカ仁奈。このメール、大志に送ってる」
呆れたようにため息をつくとやれやれとした表情を見せる律さん。
「あっ、本当だ!大志に送ってた。あちゃ〜」
「まったく…。わたし荷物置いてくるから。悪いけど唯ちゃん、仁奈の相手してあげて。黙っててもこの子、勝手に喋るから」
「あっ、はい」
可愛く手を合わせながらお願いなんてされたら断れるはずもなく、金井さんは他のお客さまの接客中だからわたしが相手にするしかないのだ。
「そういえば、名前まだ聞いてなかったよね?」
「文学部の日下 唯です」
「唯ちゃん!よろしくね。あたし、商学部の赤松 仁奈」
えっ、商学部って…。
わたしはさっきからずっと思っていたことが判明した。
「あのっ!商学部って。上原くんの学部ですよね!?」
「あぁ、哲?うん、友達だよ」
そっか、仁奈さんを見たときどこかで見たことがある気がしたのは上原くんの友達で一緒にいるからだ。
「ナニナニ?唯ちゃん、哲のこと好きなの!?」
「いやっ!そういう訳じゃなくて…」
図星をつかれて恥ずかしくなって顔が真っ赤になる。
「何楽しそうな話してるの?」
エプロンを付けてホールに戻ってきた律さんが救世主のように見えた。
「唯ちゃん、哲のこと好きなんだって」
面白そうなおもちゃを見つけた子どものような顔をしてケラケラと笑う仁奈さん。
「えっ、唯ちゃん、哲のこと知ってるの?まぁあの容姿じゃ大学でも目立つだろうけど」
「律さんも上原くんのこと知ってるんですか!?」
「知ってるもなにも高校のときの友達だもの。わたしと仁奈、あとさっき話た大志ってやつと哲。あと知らない?モデルの一條 由香里とその彼氏の充。この6人でいつもツルんでたの」
大所帯だなぁって思ったけど、高校のときのこの人たちも相当目立ってたんだろうな。