さよなら、片思い【完】
手帳の過去のページをペラペラと捲りながら、色とりどりに記入した予定を見返す。


上原くんと初めてデートをした日、


ピンク色のペンで丸をつけて【上原くんと水族館へお出かけ】と記入してある。


遠くから見つめていただけの彼とデートできるなんて夢みたいで、ドキドキしながら手帳に書き込んだことを昨日のように覚えている。


デート自体が初めてのわたしは律さんと仁奈さんに服を選んでもらって、オフホワイトのワンピースに薄ピンクのカーディガンを羽織っていった。


待ち合わせ時間より少々早い時間に着いたけどそこには既に上原くんの姿が。


「ごめんね、遅れちゃって」


「いや、俺が早く来すぎただけだから平気。その服可愛いね、似合ってるよ」


男の人にそんなことを言われるのは初めてので、しかも相手があの上原くん。


顔が一気に赤くなる。


上原くんは自身は、


黒のラフなシャツにジーパンとグレイの薄手ジャケット。

シンプルだけど、ファッション雑誌から出てきたよなかっこよさ。


本当に上原くんと付き合ってるんだ、とまだこのときは実感がわかなかったっけ。
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