さよなら、片思い【完】
この店一番の人気メニューの牛頬肉のクリームパスタを食べても何故か美味しいと心から言えないのは、
やっぱりさっきの光景を見たから。
「いやっ、哲、違っ!この子はそんなんじゃなくって!俺たち急ぐからもう行くわ!!」
そう慌てながら女の子の腕を引っ張り走り去った杉田くん。
怪しすぎる。
上原くんもさっきから難しい顔をしながらパスタをクルクルと巻いてるだけ。
「友達…とかそんなんじゃないよな」
「えっ?」
上原くんが口を開いたけど重くため息をついた。
「さっきの。充と一緒にいた女。友達とかそんな雰囲気じゃなかったよな」
ううん、と首を横に触れないのはわたしも上原くんと同じ意見だから。
「悪い、変な雰囲気になったな。後で充と話してみる」
「うん…」
由香里さんという彼女がいるにも関わらず、違う女の子と食事をしている杉田くん。
浮気?
由香里さんの華やかな笑顔が脳裏をよぎった。
結局、食事もそこそこにわたしたちはお店を出てマンションへ戻ってきた。
「やっぱり気になるから今から充のとこに行ってくる」
「うん…。そうだね」
上原くんはわたしの部屋には入らず玄関で引き返し小走りで去っていった。
振り返ってくれるなんて思ってないけど、わたしはその背中が見えなくなるまで見つめていた。
もし由香里さんと杉田くんが別れたら、上原くんはどうするんだろう。
わたしたちの関係はどうなってしまうんだろう。
やっぱりさっきの光景を見たから。
「いやっ、哲、違っ!この子はそんなんじゃなくって!俺たち急ぐからもう行くわ!!」
そう慌てながら女の子の腕を引っ張り走り去った杉田くん。
怪しすぎる。
上原くんもさっきから難しい顔をしながらパスタをクルクルと巻いてるだけ。
「友達…とかそんなんじゃないよな」
「えっ?」
上原くんが口を開いたけど重くため息をついた。
「さっきの。充と一緒にいた女。友達とかそんな雰囲気じゃなかったよな」
ううん、と首を横に触れないのはわたしも上原くんと同じ意見だから。
「悪い、変な雰囲気になったな。後で充と話してみる」
「うん…」
由香里さんという彼女がいるにも関わらず、違う女の子と食事をしている杉田くん。
浮気?
由香里さんの華やかな笑顔が脳裏をよぎった。
結局、食事もそこそこにわたしたちはお店を出てマンションへ戻ってきた。
「やっぱり気になるから今から充のとこに行ってくる」
「うん…。そうだね」
上原くんはわたしの部屋には入らず玄関で引き返し小走りで去っていった。
振り返ってくれるなんて思ってないけど、わたしはその背中が見えなくなるまで見つめていた。
もし由香里さんと杉田くんが別れたら、上原くんはどうするんだろう。
わたしたちの関係はどうなってしまうんだろう。