秘密。



狂牙連合(キョウガレンゴウ)。



それはあたし達の今住んでいる一帯を締める、暴走族のこと。



傘下とかには違う所で活動?してる族もあるみたいだけど。



そして、そのトップに立っているのが“銀狼”。





周はその“銀狼”の総長。


で、あたしは銀狼総長、周の女ってわけ。



まあ……普通に言う“総長の女”ではないけどね。



暴走だってするし、喧嘩だってする。



そんなことをしても誰も止めない。


止めるわけない。



だってあたしは銀狼の“戦力”だもん。





――…
―――…




「――…弟?」



「そ、弟」




周の勝手くれたカフェオレを飲みながらあたしはここに戻ってきた経緯を話した。



弟の存在は周も知ってるし、伝えておいても害はない。



「居場所分かってんのか?」



「うん、まーね。どうせ高級マンションの最上階にでも住んでるよ」



「……だろーな」




言ってなかったけど神楽家っていうのは大金持ちなんだよね。
金は有り余る程持ってる。


表向きは綺麗な仕事して実績収めて得た金ってことだけど……。


……どうでもいいか、そんなこと。





「いくつか目ぇ付けてるトコ当たってみるよ」



「一人で行くつもりか?」



「もちろん。だって周は総長なんだから向こうにいないと。ね?」




アイツら、何するか分かんないもん。



あたしの意図が分かったのか周は渋々といった感じで「分かった」と言った。




< 13 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop