秘密。




「結局俺はパシられただけか」




「ごめんごめん♪」




「……チッ」



「舌打ちしないでよ〜」



不機嫌な周はバイクに跨ってあたしの一瞬だけ唇を合わせると颯爽と去って行った。



……様になるねぇ。



周はズバリ言って美形だ。


そんでもって銀狼幹部達も美形。あ、一匹可愛いのいるけど。



ついでにあたしの弟も可愛い!



あたしだけ仲間はずれ…。




「……行きますか」




いろいろ考えてても時間の無駄だし取り合えずバイクを発進させた。




空き地から離れ街の中枢までやってくると見慣れた懐かしい景色が広がる。



所々変わってるとこもあるけど……、街自体の雰囲気は変わらない。





「冬真どこだー?」





まだ朝の早い時間だから交通量も少ない。



頭の中に入ってる冬真が住んでるだろうマンションの場所はここからそう遠くはないな。





「……」




流れる景色を見ながらあたしはふと思った。




冬真に会えたとして……どんな言葉を言えばいいのだろう。



久しぶり?

元気にしてた?



「………んー…」






何て言えばいいのか…分かんないや。



……。


………。



…………。



…………ま、なんとかなるかー。



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