秘密。
こういう時自分が楽天的でよかったと思う。
難しく考えてないほうが楽だもんねー。
とりあえず探すことだけ考えて、何を話すかはその時しだいで。
あたしは目星をつけていたマンションへと向かって…
「……あ、バイク」
またまたあることに気付いた。
こんなバイクなんかに乗って……どう説明すればいいんだろう…。
免許証なんて偽装したものだから生年月日違うな…。
………よし、取りにきてもらおう。
あたしは携帯のメモリーから適当にプッシュして
『はい』
「あたしだけどさ、バイク取りにきてくんない?」
『…はい?』
「A市の南区二丁目、コンビニ二つ並んでて滑り台と砂場しかない公園に止めとくから」
『え、あの…』
「よろしく〜」
適当に使える下っぱ君に頼んどいた。
なんか言いたそうにしてたけど……、多分取りにきてくれると思う。
この件に関しては一件落着ってことで。
「よっこらせ」
あたしは指定した公園の隅にバイクを置き荷物を持って道路へと出た。
こんな時間でも数台は通っててその中にタクシーを見つけて乗り込んだ。
「この住所、全部回って下さい」
あたしはそう言ってマンションの住所が書かれた紙を運転手さんに渡した。
運転手さんは戸惑いながらも車を発進させたまに声をかけてくれたりしていた。